「楽・速・美」ファイリングの革命児 Filet(ファイレット)

  • 「楽・速・美」ファイリングの革命児 Filet(ファイレット)
  • 「楽・速・美」ファイリングの革命児 Filet(ファイレット)
  • 「楽・速・美」ファイリングの革命児 Filet(ファイレット)
  • 「楽・速・美」ファイリングの革命児 Filet(ファイレット)
  • 「楽・速・美」ファイリングの革命児 Filet(ファイレット)

Filetとは?

プロジェクト F  ファイレット開発ストーリー

~いかにして製本屋さんが画期的な新型ファイル、ファイレットを生んだのか~

 「取り出しやすいファイルがつくりたい!」 ファイレットの生みの親、樋下田稔(49歳)。 製本屋である彼が何故ファイレットに行きついたか、というと、実はごく個人的な理由からだった。 彼の趣味は、マラソン。 大会に出て実力を確認するのがひそかな楽しみだ。 ところで、そのマラソン大会だが、パンフレット、ゼッケン、完走記念証……意外と記念になるものは多い。 それらを、彼は透明なファイルバインダーにいれて、大事に大事に保管していた。 疲れたときや、次の大会に臨むときにファイルを開いて、「頑張ろう」……小さくガッツポーズ。 そんな至福のときを過ごすうちに、一つ悩みが出てきた。 「……いちいち取り出すのが大変になってきたな」 「去年の要綱の確認をしたいのに……このままじゃ捲れない」 そう。 頻度の多い出し入れが、思いのほか億劫になってきたのだ。 そこで、考えた。 「どうにか、そのままの状態で見えるといいんだけれど……」

* * * * *

 一週間後―― ウキマは仕事の隙間に、一押しの「アイレット」で綴じたカレンダーを作っていた。 全国カレンダー展連続入賞を目指してのものだ。 今年のイラストは動物園。 内側が透けてみえるように、柵のイラストをプラスチックに印刷したアイディア作品だ。 ちなみに、プラスチック部分である裏表の表紙は、透明なポケットがついており、カレンダーを使い終わった後、裏側はそのまま写真やポストカードをいれて、「額」として使えるデザインだ。 仕上がってきたプラスチック部分の印刷……これをみて、社長は思わずつぶやいた。 「うーん、このプラスチックを使って、何かアイレットと組み合わせられないかな」 ウキマはの押しは「アイレット」だ。※1 主力商品と何か組み合わせて、グッズを作りたい――そんな思いから、ついつい考えがよそに行く。 「いけないいけない、まずはカレンダーを作りあげなくては」 カレンダー展の納期は迫っている。 今はそれどころではない。 樋下田は、いったん「希望」を胸に秘めておくことにした。 ところが…… そのカレンダーにハプニングがおきた。 印刷も終えて、あとはポケット部分を綴じるだけ。 この綴じるのは、クリアファイルの領域なので、そういった会社に頼むつもりでいた。 ところが……請け負ってくれる会社が見つからない。 ――というのも、クリアファイルの会社というのは、たいてい「印刷からクリアファイルをクリアファイルの形にとめるところまで」一括で請け負っているのである。 他所で印刷したものはお断りされてしまう。 つまり、<とじるところだけ請け負ってくれる会社>が見つからない。 おまけに現場でもアレコレと……事件が重なった。 樋下田は、焦った。考えた。 そして…… 疲れた頭で、マラソンバインダーをのぞき込んでいた。 透明なビニールのファイル…… 「やっぱり、すぐ見えるのがいい。透明なのが」

* * * * * *

 結局ぎりぎりになって、知り合いの業者が近所の業者を紹介してくれて、カレンダーは事なきを得た。 と、ふと……そこで「透明な」「アイレット」について、樋下田は思い返した。 ――そうだ、口の開いたファイルをアイレットで綴じたらどうだろう? 実は、この数週間前、アイレットで何かやろうとデザイナーと打ち合わせていたときに、「小窓をのぞかせるように抜いた紙をアイレットで止められないか」――そんな話が出ていた。 樋下田は、思った―― 「いっそ混ぜてしまえ」と。 要するに、「中身の見える」=透明なファイルを綴じてしまえばいい。 出来れば、そう――マラソン大会の資料がみられるように、見えるだけでなくて、ファイルの表紙を裏表紙を挟み込んでペラペラ捲る【ファイル版ブックカバー】のようにしたらどうだろう? 技術に問題はないはずだった。 カレンダーの表紙とある意味で同じ作りだと思えたからだ。 「出来るよね」が先だった……とのちに、樋下田は語る。 ――まずは、クリアファイルに、細工したら作れないだろうか?

* * * *

 考えれば動くのみ。 早速試作品を作ろうとした。 ところが……いざ綴じる段階になって問題が発生する。 なんと!!!機械が反応しなかったのだ! 「え?何故???」 樋下田は戸惑った。 透明なプラスチックのビニールは柔らかくしなる。 おそらく、厚みが感じられなかったのだろう。 そこで細工をすることにした。 両側に紙を挟んで見た。 現場の職人にきくと、紙ならば普段から扱っているからきっと大丈夫だということだ。 今度は、機械も反応してくれた。 しかし!!  ここでも問題は発生した。 アイレットを打てることは打てた。 ファイルとしては成り立つ、と思いかけた矢先のこと。 「あれ?――まさか……!」 ふと、手に取ってみたら、アイレットの針金部分がぐらぐらしている。 針金が緩く、不安定な状態なのだ。 これでは、だんだんと先が出てきてしまい、下手をするとけがをしてしまう。 おまけに、これを回避するための調整は至難の業だ。 「不可能じゃないか?」 現場の拒否反応もあった。 けれども――樋下田は思った。 「機能としては、いいよなぁ」 すると…… 否定的だった現場から声があがった。 「それなら……紙を部分的に挟んで、綴じればいいんじゃないか?」 だがそれでは「中身が分からない」。 現場の意見はわかる。 けれど、樋下田の中の思いは一つだ。 「やっぱり、【透明な】ファイルを活かしたい」

* * * *

 紙ではうまくいくのに。 歯がゆい気持ちもあった。 しかし、使っていてけがをするかもしれないのは、いただけない。 このままではだめだ。 そのとき閃いた。 「一枚だけ……部分的に厚めの紙を補強でいれたらどうだろう?」 全部は透明にならないが、これなら可能性を信じられる。 早速、紙を何種類か買ってきた。 試作時のA4の半分だった。 ホールドの確認をするだけの、テスト。 これは順調だった。 現場も喜んだ。 でも、まだ――透明性が生かし切れていない。 「覆いかぶさらないようにしないと商品にするには厳しい」 そうも思った。 文具として扱われるのならどういうところまで大丈夫だろうか。 思い浮かべてみた。 するとふと……ノートが目に付いた。 ノートには、とじてある背にシールがはられているものがある。 「ノートのようになっていたら、見栄えがいいかもしれない」 綴じる部分を極力短くしてみた。 確かに、手ごたえを感じた。 だが…… 残念ながらいざパンフレットをいれようとしたときに、新たな問題が発覚! 「紙がたってしまう……入れづらい」 そう、短くした紙は立ち上がり、いれたい書類を阻んでしまうのだ。 仕方ない。 次の手だ。 樋下田は、針金(ホッチキス)の部分だけ、紙をハート形にしようと思った。 ところが……今度は別の問題が発生。 見た目が悪い。邪魔であるうえに、まるで、何かの補助――「ここをはがしてつかってください」と主張しているようにしか見えない。 試行錯誤の結果、ファイルの切れ込み部分のビニールにかろうじておさまるぎりぎりの長さ。 ここが妥協点になった。 後は紙の種類だ。 「クラフトしかない……」 樋下田がこのとき、思い返したしたのは、過去の経験だった。

* * * *

 クラフト…… これはウキマにとって、最初の挑戦を思い出させる紙だ。 アイレットを広めたい――社長が本腰をいれた三年前、「見本誌」として成功した唯一の紙だった。 問い合わせで配っていた白一色のアイレット製本、色紙での製本は重宝がられたが、「こちらから渡すばかり」。 ところが、これが……クラフトを使ってから変わった。 「ください」「これ、もっていっていいですか」……頼まずとも、もらってくれるようになったのだ。 ファイレットは商品。 どんなに樋下田が便利だと思おうと、「欲しい」と言われなければ意味がない。 「ならば……あの時欲しいと言われた色調がまず第一だ――」 こうして、クラフトの色調にあう紙へと、絞り込まれていく。 それでも不安だった樋下田・まわりも「どうなるかな」と戦々恐々だったという。 ところが、11月、戦況は変わった。 ためしに持って行った展示会で、ファイレットは見事に売れたのだ。 セットで10枚以上買う人も出た。 「試作段階でもこんなにいけるなんて」 確信した。 こうして……出そろったのが七色のファイレットである。 七色の理由は?と聞くと樋下田はこう答える。 「ウキマには、小売りこそ特に仕掛けていないが、ノベルティ用に開発した七色のノートがある。その名をTシャツノート。これが七色セットなので」と。 「折角なら、七つ一気に出したかった。いろいろな意味合いで選べるといい」 その思い入れ、それぞれのカラーについては、カラーページを確認してほしい。 かくして、ファイレット七色はお目見えすることになった。 ちなみに……この七色以外にも試した紙や特別な目玉が、他にもあるそうだが…… これらについては、続報を。 ファイレットストーリー…… 後は使うアナタが、この1枚からどんなストーリーを繰り広げるか。 すてきな報告をお待ちしています。 完

※1 アイレットとは 日本ではまったく馴染みがありませんが、ヨーロッパでは広く活用されている中綴じ製法。 綴じ位置が流通している2つ穴バインダーと同じ位置なので、資料やパンフレットに穴を開ける必要もなし。そのまま、無傷の状態で綴じられるのが特徴。 ウキマでは、アイレット綴じが主流なヨーロッパから、スイス製の製本マシン、ミューラーマルティニを導入している。

株式会社 ウキマ
〒174-0042 東京都板橋区東坂下2-13-17
TEL 03-3968-2345 URL http://www.ukm.co.jp/